2005年 06月 18日
◆1964年アメリカ映画、モノクロ。かなり印象的なタイトルであるが、実際は地味なつくりであって、ちとタイトル負けの感がある。配給会社の気張りすぎか。原題はヨハネ黙示録出典の「蒼ざめた馬をみよ」。 ハリウッド映画人の好きなスペイン内戦ものである。「ナバロンの要塞」で同志だったグレゴリー・ペックとアンソニー・クインがこんどは敵味方に別れる。ペックが元スペイン人民戦線の英雄、クインがフランコ政権下の警察署長で仇敵関係になる。クインはギリシア人をやって、とうとうこんどはスペイン人である。中国人の役でもやったかもしれない(笑)。 ◆物語はスペイン内戦から20年後、フランスに亡命したペックの捕捉に執念を燃やすクイン署長が仕掛けた罠、それにどう立ち向かうかというサスペンスものである。 カトリックの若い神父(なんとオマー・シャリフ!この人も多国籍俳優だ)が悩んだ末、ペックを訪れて忠告するが、ペックがなかなか聞き入れようとしない。内戦のときに、カトリック教会がフランコ軍についたことへのこだわりもあるし、ペック自身も年老いて心中に屈折を抱えている。 ラストは「蒼ざめた馬」を承知で死地に赴くペック、そしてそれを不思議がるクイン署長の対比とあいなる。ハラハラドキドキ感はあまりなく、手に汗握るというほどではない、かといってつまらない作品というほどでもない。評論家の便利なことばでいえば“佳品”である。 スペイン現代史に興味のある方はもっと面白いかもしれない。 ◆冒頭、スペイン人少年がフランスに密入国する。山を登ったところに国境があるが、それも浅い川ひとつである。ものすごくカンタンにみえる密入国である。 そして、フランスでは空き地があれば子供たちがサッカーで遊んでいる。スペインから来た男の子もサッカーですぐ仲良しになっている。
by chaotzu
| 2005-06-18 23:59
| 外国映画
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