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マイ・ラスト・ソング

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2005年 11月 06日

高校生ドラフトの明暗

◆今年の第1回高校生ドラフトで巨人から指名された愛媛・済美高校の福井投手が、入団を辞退するらしい。マスコミ報道では、4巡目という「低評価」に自信がなくなったとか、あるいは巨人側の誠意のない対応に不満があったとか伝えられている。
実際のところ、翻意の理由はいろいろあるのだろう。ドラフト指名された当日は嬉しかったとしても、その後いろんな情報が入ってくるし、周りの大人も何かと口出しする。

◆・巨人が今年のFA市場で投手あさりをしている。
 ・ドラフト会議後に、巨人が同じ四国の高校出身の投手を2人自由契約(解雇)にした。
  うちひとりはまだ入団して二年目である。
 ・甲子園に出場もしていない投手が上位順位で指名されていた。

高校生ドラフトの明暗_b0036803_22213532.jpg推測するに巨人に低順位(=低評価)で入団したとしても、競争環境が厳しすぎて目をかけられないまま、クビになりそうな不安が高まったこと、それに甲子園優勝投手のプライドも幾分あわさったということかもしれない。
マスコミは巨人人気の凋落とからめたいようであるが、それはあまり関係ないと思う。過去にあった入団拒否事例でも、巨人スカウトの根回しなしのいきなり指名や二軍に塩漬け不安が理由である。


◆現実問題として心配を抱えたまま入団してもろくなことはない。実際にそういう心境に至ったとするならば、入団を辞退したほうがよいと思う。
(実はもうひとつ選択肢があって、それは、入団してから判断するということである。あかんなと思ったら早めに見切りをつけて大学に行き直すという方策である。これは「契約金ドロボー」の謗りをうけるリスクもあるが、割り切ってしまえばベスト・チョイスである)。
球団側もスカウト対象の選手にそこまで思いつめられたら、無理に引き止める考えもなかっただろう。高校生でドラフト4巡目というのはその程度である。どうしても入団してほしかったら、条件提示を上乗せしているはずである。
これは巨人だけでなくどの球団でも同じことと思う。

◆しかし、高校生は昨年からプロ野球志望届をドラフト会議前に高野連に提出することになっている。福井投手も今年の9月何日かの期限までに志望届を提出しているはずだ。もちろん、プロ野球との入団交渉を志望するだけだから、入団する義務まではない。それにしても、たいていの大学の推薦入学も間にあわないだろうし、社会人チームといっても限定されることになる。思い違いの代償とはいえ、痛いことだ。
とはいえ、高校生の将来は長い、まだまだやり直しはきく。その場合、今後の野球人生では、甲子園優勝投手のプライドなるものは捨ててかかったほうがよいと思う。野球で生きていくならば、そんなものは多分なんの役にも立たないだろうから。

◆実際のところ、高校生段階の能力評価は不確定要素が多すぎる、ドラフト会議といっても半分バクチみたいなものではなかろうか。余程傑出した能力があれば別だろうが、そんな選手は毎年ごく少数派である。
今年のセリーグMVPの金本選手(阪神)、また新人王の青木選手(ヤクルト)、甲子園どころか高校野球でも無名だったのではないか。ベストナインのほうも、晩成型の選手のほうが多い。それぐらい才能が顕現化するのは個人差がある。
高校生だけのドラフトというのも、案外罪作りかもしれない。

by chaotzu | 2005-11-06 22:25 | 野球


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