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マイ・ラスト・ソング

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2004年 10月 14日

ダイエーの落日

◆とうとうダイエーが落城した。買物する側としてはとっくに見放していたので、やれやれやっと今頃かといったところ。なにせ値段が高い。広告の品を除けばたいてい2%引きで定価100円なら98円、定価150円なら147円のいわゆる「キュッパァ」でそこらのコンビニと変わらない価格設定、ドラッグストアのほうがよほど安い。エヴリデイ・ロウプライスどころかエヴリデイ・ハイプライスである。それを糊塗するためか、特定日にハウスカード利用で5%引きとか、タイム・セールなどさかんに仕掛けているが、たいていの消費者にはもう見透かされていた。冷凍ものを揚げたただのコロッケが1個100円、それが毎週火曜日は50円なんていったい誰が買いますか。食品がさえないうえに非食品はもっと悲惨である。そもそも薬局から出発したスーパーであるのに薬や化粧品売り場は閑散としているし、衣料や電化製品なども専門店に歯が立たない。安いと云えるのはビール・酒類ぐらいであり、昼間からうらぶれた風体のおじさんがチューハイ1缶だけ買い求めている。買物のワクワク感や愉しみがまるでない。売上が低迷するはずである。近所の酒屋はみんな潰してくれたが。ダイエーの落日_b0036803_18334771.jpg
◆かつてダイエーのファンだった時期もあった。松下電器や資生堂との争いなどは「価格破壊」の旗手として頼もしく写ったものだ。最盛期は客がわんさか押しかけていた。今や優良企業に成長した無印良品の先駆けであるノーブランド商品もダイエーの開発ではなかったか。一時期トップ・ランナーであったことは間違いない、いったいどこからおかしくなったのか。POSを導入して品揃えが極端に悪くなったこともあった。バブルの終焉や阪神大震災もあった。安売り万能の社会ではなくなった、いろいろ考えられるがそれだけではないだろう。
◆創業者である中内氏の店舗視察に遭遇したことが2回ある。いったい何事かと思ったほどの仰々しさで、売り場の担当者はピリピリ、責任者らしい人物はペコペコである。当時会長ではあるが経営不振の引責で社長を辞任したはずなのに、全然変わらんなと思ったものである。もっと早く一切を退いていれば、今日の有様はなかったのではないか。ダイエーの落日_b0036803_18581457.jpgそれが息子に会社を継がせたい一心で居座りすぎた、それが間違いの最たるものだったのではなかろうか。佐野真一の力作「カリスマ」を読むと兄弟との確執などその辺の事情が詳らかである。西武の堤オーナーも退陣するそうだが、公開企業の世襲は醜いというか社会を腐らせるもとである。なんせ北朝鮮と同じことをやっているのだから。

by chaotzu | 2004-10-14 18:44 | 時事


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